I-OPEN PROJECT

GOOD DESIGN

社会課題の解決に向けて、
知財ができることとは?
I-OPENERが集い語らう
I-OPENフォーラム24 開催

I-OPENプロジェクトは、社会課題の解決に取組むゼブラ企業、非営利法人、個人事業主(I-OPENER)と、知財やビジネス、デザインに精通したサポーターが協力し、知的財産を活用しながら課題解決を支援するプログラムです。

2024年度も、多様なI-OPENERが本プログラムを活用し、新たな社会的価値を生み出しました。そうした事業者同士の交流と意見交換の場として、3月4日(火)15時30分より、住友商事(株)が運営するオープン・イノベーション・ラボ「MIRAI LAB PALETTE」にて「I-OPENフォーラム24」が開催されました。I-OPEN事務局のソニーグループ株式会社 クリエイティブセンターの山内文子氏の進行により、多数の参加者が集う貴重なミートアップの機会となった今回のフォーラム。本稿では、登壇した6チームのI-OPENERの活動と、トークの内容をお伝えします。

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OPEN REMARKS

特許庁 I-OPEN プロジェクトチーム長
小池 秀介 氏

フォーラムはまず、特許庁 I-OPENプロジェクトの24年度チーム長を務める小池秀介氏のスピーチから始まりました。

「I-OPENフォーラムも今年で4回目の開催となります。対面での開催が叶い、大変嬉しく思っています。今年度のI-OPEN伴走支援プログラムでは、新たに6者がI-OPENERとしてプログラムに参加されました。各チームとも高い志と熱意を持って取り組んでいただきました。2025年には大阪・関西万博も控えており、I-OPENの成果を国内外に発信していく重要な年として、さらなる期待をしています」。

2

I-OPEN活動報告セッション

I-OPENプロジェクトでの活動を、
I-OPENERとサポーター、有識者で振り返ります。

講評

チーム発表の後には、I-OPEN Round Table 伴走支援WGで有識者を務める鮫島正洋氏から、講評がありました。

「昨年に続き、今年もリアルな対面の場を持つことができて、改めて感じたことがあります。それは、I-OPENERの発表を聞いていると清々しい気持ちになってくるということです。コストとリターンや、儲けと収益性ばかりを気にする20世紀的価値観とは異なる可能性や先進性を感じます。そして、それを特許庁が政策として先導していることの啓発効果は、特に大きな価値と言えるでしょう。特許庁の代表的な施策としてブランディングしていく、継続することで広く発展していく、そのようにできると良いと思っています」。

3

スプラウトモデル /
パターンランゲージ

デザインの専門家と語らう
I-OPENコミュニティ

その後、I-OPENコミュニティマネージャーの小菅隆太氏より、専門家を交えたトークセッションがありました。ゲストは、令和3年度よりサポーターに就任している株式会社cocoroéの代表を務める田中美帆氏、武蔵野美術大学造形構想学部 教授・株式会社コンセント代表で有識者の長谷川敦士氏、株式会社 KUMANOMICS 代表取締役で特許庁I-OPENプロジェクトファウンダーの橋本直樹氏の3名。「コミュニティにとって、デザインはどう活用できるか」をテーマに話し合いました。

まずは、田中氏より思考フレームワーク「スプラウトモデル」の説明がありました。これは、I-OPENプロジェクトを参考に、政策づくりにデザインの考え方をいかに導入していくかをモデル化したものです。
「I-OPENプロジェクトに関わり始めた当初、社会課題解決と知財が自分の中で結びつかない印象でした。しかしプロジェクトを進めていく中で、知財活用の未来が見えてきて、私自身とても面白いと感じています」(田中氏)。

続いて長谷川氏より、I-OPENERと事務局、サポーターの3者の関わりを言語化したパターンランゲージについて、大学で行った研究内容の発表がありました。
「I-OPENプロジェクトの成立要因は、I-OPENERの活動だけでなくサポーターの専門性や事務局の関与が重要だと感じます。デザインができることは、その3者が出会う場を作ってあげること。形あるデザインを作ることよりも、皆さんがどうデザイナーになるのかが大事だと思っています」(長谷川氏)。

そして、プロジェクトのファウンダーで自身も起業した橋本氏から、これまでを振り返ったお話がありました。
「知財という、これまで馴染みがなくてよくわからなかったものも、デザインが加わることで、自分たちの暮らしになくてはならないことだと理解できると思います。結果としてコミュニティが生まれるのも、デザインの大きな成果だと思いますね」(橋本氏)。

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CLOSING REMARKS

I-OPEN Round Table
有識者 西野 修一朗 氏

最後に、住友商事株式会社の西野修一朗氏から、締めのスピーチがありました。

「I-OPENER、サポーター、そして有識者の皆様、お疲れさまでした。シンプルに、もっと聞いていたいと思う、そんな会でした。コミュニティという言葉は何を指すのかわかりにくい言葉ですが、運営している側として、その場所が生きているか死んでいるかはすぐにわかるものです。このMIRAI LAB PALETTEも、常に人がいる、活気のある場所に育っています。生き生きとしたI-OPENの仕組みに、これからも関わっていければと思います」。

この後、同会場では昨年に引き続き懇親会が行われました。参加者同士がドリンクやフードを片手にさまざまな意見を交わしながら、会話が途切れることなく、フォーラムは閉幕となりました。

昨年度に引き続き、対面での開催となったI-OPENフォーラム。今年度も多くの意志や課題意識が共有され、有意義な機会となりました。これからも、I-OPENコミュニティの果敢な挑戦に、ご注目ください。

I-OPEN PROJECT 22
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